犬の睡眠の質を高めるには?理想的な睡眠時間や寝不足の症状を紹介!
犬の睡眠時間
犬は良く昼寝をしているイメージがありますよね。
あまりにもたくさん眠っていると「どこか悪いのかな?」と心配になってしまうこともあるでしょう。
犬の適切な睡眠時間はどのくらいなのでしょうか。
犬の睡眠時間について
ここでは、犬の睡眠時間や睡眠の質について解説します。
人よりも長い睡眠時間
犬の睡眠時間は、平均で12時間〜18時間と言われています。
愛犬が寝ているところを無理に起こすのは、疲労回復を妨げストレスの原因となりますのでやめましょう。
ほとんどが浅い眠り?
犬にも『レム睡眠(体は寝ているが脳は起きている)』と『ノンレム睡眠(体も能も眠っている)』があります。
犬は睡眠のほとんどが浅い眠りのノンレム睡眠で、体が休まるレム睡眠は2割ほどだと言われています。
野生の頃の感覚
野生の頃は、睡眠中に敵に襲われる可能性があったため、長時間のレム睡眠は危険でした。
その感覚が今でも残り、浅い眠りが多くなっているようです。
理想的な生活リズム
年齢や、飼い主さんの影響を受けることでも犬の生活リズムは変わります。
犬の理想的な生活リズムとはどのようなものなのでしょうか。
子犬の場合
子犬の場合、体の成長のためにも睡眠は非常に大切です。
生後7ヶ月頃までは、16時間〜19時間の睡眠が必要だと考えられています。
散歩や遊び、食事でも体力を使うため、睡眠時間をしっかり保てるよう気を配ってあげましょう。
成犬、シニア犬の場合
成犬は約11時間、シニア犬は約19時間の睡眠が必要です。
シニア犬は体力を回復させるため、短い睡眠では足りません。
睡眠不足はストレスになり、寿命が短くなるケースもあります。
睡眠中の犬の様子
ここでは、犬が寝てるときの様子からどのようなことが考えられるのかについてご紹介します。
寝言
眠っているはずなのに、吠えたり「クーン」と鳴く様子を目撃したことがある飼い主さんも少なくないでしょう。
それは犬の『寝言』です。
寝言は、犬が『ノンレム睡眠中』に見ている夢に対して発している鳴き声です。
寝ている間に脳を整理したり、疲労回復に必要な行動ですので、寝言を聞いても起こさないようにしましょう。
寝相
下記のような行動が睡眠中にみられることがありますが、 寝言と同じように夢の中の行動なのかも知れません。
- 目や耳がピクピク動く
- 足をばたつかせる
- しっぽを振る
- 震え など
小刻みな震えだと、寒さを感じている可能性があるので、室温を確認しましょう。
いびき
いびきはあまりにひどいようだと、呼吸器系のトラブルを抱えていることが疑われます。
短頭種のパグやブルドッグは、もともといびきをかきやすい犬種ですが、それ以外の犬種は要注意です。
恐ろしい病気
いびきがひどく苦しそうであれば、下記の病気を患っている可能性があります。
- 軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)
- 気管虚脱
- 睡眠時間無呼吸症候群 など
軟口蓋過長症は軟口蓋が垂れ下がり、喉を塞ぎます。
気管虚脱は気管が潰れてしまう病気です。
睡眠時間無呼吸症候群は心臓、脳、血管に重大な影響を及ぼしますので、いずれも心配な方は早めに獣医に相談しましょう。
動画で説明
病院に連れて行くときは愛犬も起きている状態だと思いますので、睡眠中の状態を説明するためにも動画を持っていくと良いでしょう。
睡眠中の様子を撮影し、かかりつけ医に診てもらいましょう。
寝不足のサイン
犬が寝不足になると、ストレスを感じるようになります。
余計なストレスを抱えないよう、日々チェックし、解消してあげたいものです。
犬が睡眠不足になると?
犬が寝不足になると、どんな症状がみられるのでしょうか。
食欲がなくなる
睡眠不足になると、疲労の回復が出来ず、気力や体力が低下していきます。
それによって、食事に対するに興味が薄れ、ごはんをあまり食べなくなってしまうことがあるようです。
問題行動が増える
睡眠不足になると、ストレスが溜まり、問題行動を起こすことがあります。
飼い主さんのいいつけを守らなくなったり、いたずらや無駄吠えなどの行動が増えたりすることもあるようです。
元気がなくなる
寝不足により元気に動く気力がなくなって、ぐったりしてしまうことがあります。
散歩も元気に歩かず、帰りたがるような素振りをみせるようになります。
消化機能が低下する
睡眠不足によって、消化機能が低下する場合があります。
それにより、嘔吐や下痢の症状が出やすくなることも………。
食事を変えていないのに下痢や嘔吐がある場合は、睡眠不足が原因かも知れません。
寝不足になる理由
犬にとっても寝不足は良くないことがわかりました。
犬が寝不足になる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
睡眠環境
人も、騒音や照明が気になって眠れないことがあるように、 犬にとっても睡眠環境は重要です。
ましてや犬は、眠りが浅いためすぐに起きてしまいます。
睡眠不足を解消すべく、眠りやすい環境を整えてあげることも飼い主さんの重要な役割です。
病気
病気によって、睡眠不足になるケースもあります。
皮膚病
皮膚が敏感で、アトピー性皮膚炎を患っていると、痒みや痛みがが気になって熟睡することが出来ません。
認知症
認知症になってしまったシニア犬は、体内時計が狂い、 睡眠のサイクルが不安定になります。
それにより、夜に眠らないという症状が出る犬もいます。
呼吸器疾患
気管支に炎症が起きる気管支炎や、咳、鼻水が出る呼吸器の疾患が原因で、『睡眠時無呼吸症候群』を引き起こすことがあります。
睡眠時無呼吸症候群とは・・・空気の通り道が細くなったり、呼吸を調節する脳の働きの低下によって、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりしてしまう病気です。
睡眠時無呼吸症が死亡の直接的な原因になる可能性は低いようですが、 質の良い睡眠を取ることが難しくなってしまいます。
愛犬が気持ちよく寝るために
愛犬が寝不足にならないよう、睡眠の質を高める方法を解説します。
決まった場所で眠らせる
愛犬が安心して眠れるように、いつも良く寝ている場所に寝床を作ってあげましょう。
廊下や扉の近くなど、人の出入りが多い場所だと落ち着きません。
リビングや飼い主さんの部屋など、飼い主さんの気配を感じ取れる場所の方が安心できるでしょう。
周りを囲う
気に入っている場所をケージやサークルなどで囲ってあげると、「自分の居場所が確保される」という意味でさらに安心感が増します。
狭い場所が好き
クレートのような狭い場所も、犬は落ち着いて眠ることが出来ます。
野生の犬は巣穴で眠る習慣があるので、狭くて暗いクレートを好む犬は多いようです。
大きさは、愛犬が一回りできるくらいの余裕があるとベストです。
室内を適温に保つ
暑すぎたり、寒すぎたりしても質の良い睡眠はとれません。
直射日光が当たったり、エアコンの風の真下などは避けて下さい。
犬用ベッドや敷物も、保温性の高いものや涼しく感じるものも売られています。
季節に応じてそれらを活用して、適度な温度、湿度に保ってあげましょう。
トイレと寝床は分ける
犬は綺麗好きな動物です。
巣穴で生活していた頃は、巣穴とトイレを一緒にしてしまうと虫や菌が繁殖することを理解していました。
そのため、トイレと寝床は分けるようにしてあげましょう。
▼犬と一緒に寝るときに注意すべきことについての記事はこちら
食事、運動
食事や運動も大切です。
バランスの良い食事を十分にとって散歩をしましょう。
おもちゃでひとり遊びもいいですが、飼い主さんも一緒に遊んであげることで愛犬は愛情を感じ、気持ちが満たされて良い睡眠が取れるでしょう。